
2018年7月からテレビ朝日で経済ドラマ『ハゲタカ』の放送が開始するね。

原作とドラマじゃ登場人物に大きな違いがあるようだな。違いを見てみるか。
はじめに
今夏から真山仁先生が手掛けた小説『ハゲタカ』が朝日テレビでドラマとして放送されます。
その『ハゲタカ』ですが、原作とドラマでは登場人物や設定に数多くの変更が加えられているようです。
原作は数多くのキャラクターが登場しており、関係も複雑に絡み合っています。
そのままでは視聴者が登場人物の関係性を理解するのに難しいため、原作よりも分りやすくしたのだと思います。
では登場人物の違いを見て行ってみましょう。
原作に変更が加えられた登場人物
鷲津政彦(わしづ・まさひこ)
本作の主人公であり、潰れかけの会社を買収して奪い取り再生させる、天才的な『ハゲタカ』として知られています。
ドラマでは外資系投資ファンド『ホライズンジャパン・パートナーズ』の設立者で、代表取締役と設定されています。
しかし原作では『ホライズン・キャピタル』という名の投資ファンドを設立しています。
日本で活動している外資系投資ファンドというイメージを強めるために「ジャパン」という単語をドラマでは加えられたと考えられます。
さらに原作では『ホライズン・キャピタル』は『ケネス・クラリス・リバプール』、通称KKLの日本法人という扱いになっています。
このKKLは「ハゲタカファンドの雄」と呼ばれており、上記で述べたハゲタカビジネスの原点を構築したアメリカの企業です。
鷲津がアメリカに留学中に、KKLのボスの目に止まったことで、鷲津はこの業界に入ることとなりました。
また、外見にもドラマと原作で違いがあります。
今回鷲津役を務めるのはイケメン俳優の綾野剛さんです。
綾野剛さんといえば身長180cmと高身長で、ミステリアスなイメージがあります。
しかし原作の鷲津は身長165cmと低身長であり、華奢な体で、物腰柔らかそうという外見です。
この見た目とハゲタカとしての能力の乖離に他者が驚かされるという場面がちょこちょこ出てきます。
松平貴子
ドラマでは日光の老舗ホテル『日光みやびホテル』のオーナーの娘であり、ロンドン発でホテルで、お台場にある『クラウンセンチュリーホテル』のフロントマネージャーという設定です。
原作でも大きな違いはありません。
唯一の違いといえば、ホテルの名前が違うことでしょう。
『日光みやびホテル』が原作では『日光ミカドホテル』、『クラウンセンチュリーホテル』が原作では『ロイヤル・センチュリーホテル』、といった違いがあります。
名前が異なるだけであり、中身については大きな変更はないと思われます。
小説『ハゲタカ』に出てくる企業は、日本の有名企業の名をもじったものが多いです。
よって小説内での企業名のままで放送するとなにかしら問題が起こる可能性があるので、名前を変えたのかもしれません。
アラン・フジタ
『ホライズンジャパン・パートナーズ』の社員で、鷲津の部下、アメリカ育ちの日系アメリカ人で日本語堪能、という設定です。
このキャラクターが最も変更点を加えられた人物かもしれません。
まず、原作では名前が『アラン・ウォード』という名前であり、金髪碧眼の生粋の白人です。
甘いマスクを持っているという点では、ドラマで役を務める池内博之さんと一致しています。
役職についても違いがあります。
ドラマでは『ホライズンジャパン・パートナーズ』の社員となっています。
しかし、原作では『ホライズン・キャピタル」のバイス・プレジデント、つまり副社長という設定です。
社員の域を超えてますね。
また、大手投資銀行出身という設定がドラマではなされています。
この点はある意味変更はくわえられていません。
ですが原作では、ゴールドバーグ・コールズというアメリカの大手投資銀行出身ということになっています。
現実で言うところの世界一金融グループ、ゴールドマンサックスですね。
彼はこのゴールドバーグ・コールズのエリートの道を約束されていました。
しかしこのゴールドバーグ・コールズのM&A部門のトップが、「アランを鍛えてやってくれ」と鷲津にお願いしたことから、現在はホライズン・キャピタルに所属しています。
松平珠香
松平貴子の妹であり、『日光みやびホテル』の従業員という設定です。
松平貴子と同じで、原作との違いはホテルの名前ぐらいです。
佐伯宗徳
『ホライズンジャパン・パートナーズ』の社員であり、日本政財界の表裏の情報に精通した人物です。
こちらも上で記した『アラン・フジタ』並みに変更が加えられています。
原作は『サム・キャンベル』と言う名の白人であり、情報調査会社『クーリッジ・アソシエイト』の社員です。
表面上は、リスクコンサルティング会社を名乗っていますが、実態は、英米の情報機関の日本担当OBらを採用した民間情報機関です。
サム・キャンベル自身も、アメリカの諜報機関である米国中央情報局、つまりCIAで長年日本を担当していた上級エージェントでした。
実際彼の情報力は、鷲津の金融交渉の多くに役立っています。
ドラマで登場しない、原作の登場人物
リン・ハットフォード
ドイツ系アメリカ人であり、身長は170cmあまり、大きな目と鼻筋が通った超美人。
上で述べた『アラン・ウォード』が所属していた米国投資銀行『ゴールドバーグ・コールズ』の日本法人副社長です。
修行中のアラン・ウォードをパイプラインとして、『ホライズン・キャピタル』と『ゴールドバーグ・コールズ』はつながっています。
そのため彼女は、『ホライズン・キャピタル』の数多くの金融取引に協力しています。
プライベートの面においても、鷲津とリンの間に肉体関係があります。
おそらく恋人関係であると思われます。
リン自身は鷲津の才能や人間味に完全に惚れ込んでいます。
彼女がドラマに登場しないのは個人的にはショックでした。
『ゴールドバーグ・コールズ』が登場しない理由
いくつか理由があると思いますが、『ゴールドバーグ・コールズ』が登場しない最大の理由。
それは
「関係がややこしくなりすぎるから」
だと考えられます。
原作では数多くの企業が登場します。
そしてそれは企業はそれぞれ複雑に絡み合っており、一度読んだだけでは、関係性を完全に理解するのは困難です。
幅広い世代や立場の人たちが見るドラマでは、そのような事態が起こるのは防ぎたいはずです。
そのため企業の数を減らし、それぞれの関係性を簡易化することで、視聴者にわかりやすくしたのだと思われます。
現に『佐伯宗徳』の欄で述べた『クーリッジ・アソシエイト』はドラマでは登場せず、彼も『ホライズンジャパン・パートナーズ』の社員ということになっています。
おわりに

意外と重要点にも色々と変更が加えられているみたいだな

他に原作と比べてどんな違いが加えられるか気になるところだね